もろもろ考えるところがあって、お正月以来の投稿になりました。その間、更新もしないのに多くの皆様に(といっても知れていますが…)その上、久々の投稿が繭ではなくわら筆でごめんなさい。で、特別に作り方を紹介します。このわら筆は、毎年北広島町大朝の平田地区で栽培している、宮島の大聖院という大きなお寺の古代米(赤米:弥山・弘法米)の稲藁で作り、大聖院へ献納しているものです。その他にも地元の道の駅やネットでも販売しています。なかなか愛好者が少ない世界なのでもちろん沢山は作っていません。それよりもわら筆作りの体験講座のほうが好評で、多いかもしれません。そこで、一部の企業秘密(笑)以外をご紹介します。
①まず、穂先のある部分を残し藁の不要な部分をざっと切ります。半分より長めです。
②①から穂先の芯の部分だけを一本づつ抜き取りますが、節があると抜けないのですべての節から下を切り落とします。この作業が結構面倒です。
③抜きった穂先を揃えてまとめ、穂先がすべて出るあたりをタコ糸で4~5回ぐるぐる巻き、かなりきつく絞めます。順に5センチ置きくらいに縛っていきます。最後の4番目の結びは、糸にわっかの糸を通して、藁束の真ん中を割って挟み込み一緒に縛り、最後にわら束を縛ったところから1センチ程度残してハサミできれいに切り落とします。これで大体の形は出来上がりです。
④できた③の穂先を60~70度に保温した特殊な溶液に30分から1時間程度穂先を浸します。(この特殊な溶液が企業秘密なんで、教えられません。ヒントは、昔は味噌の中に藁を漬け込んでいたようです。)その後、お湯や水を流しながら、溶液が残らないようによくもみ洗いします。この工程が最も大切で、わら特有のもろさと水をはじく油抜きをする工程です。そして、強くしなやかで墨含みの良いわら筆になります。
⑤④で、しなやかになった穂先ですが、そのままだと穂先がボッと広がったままなので、穂先をまとめるために、タコ糸で形を整えるように結び天日干しします。一旦、完全に乾かさなくては穂先がまとまりません。乾燥したいい陽なら2日くらいで乾きますが、冬場だと4~5日以上かかりますので、夜はストーブのある部屋に入れて乾燥します。完全に乾いたら、糸をほどいて、再度濡れタオルか手で全体が湿る程度ほぐし、再び完全に乾燥させると完成です。
珍しいわら筆の作り方、いかがでしたか。溶液でしなやかにする工程は、考えてみてください。
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